2012年8月30日木曜日

北部・中部へ③ 〜ベトナム初のFSC認証林〜

7月26日

相変わらず発熱は続く。甘ったるいレッドブルでカバー。
ベトナムのレッドブルは炭酸が入っていない。甘い。ひたすら甘い。
クアンガイ省からさらに南下。ビンディン省クイニョンという街に出る。


今回の話はFSC、森林認証の話。

















2012年8月20日月曜日

中部・北部へ② 〜モクマオウの林をつくる〜

前日のダム見学ではしゃぎすぎた。
咳が出るので、嫌な予感がしていたらしっかり熱が出ていた。
タバコがまずい。イベント時に熱を出す性格は幼少のころから培われている。まったく。
そして中部の夏は、南部の夏よりも暑い、ということも知ったり。





さて、旅の続き。


中部では乾期の降雨量が極端に少なく、樹木の成立に厳しい条件となっている。また飛砂による農作物への被害が懸念されることから、モクマオウを植栽し飛砂を防止する事業が行われている。日本で言えば、飛砂防備保安林とかで植えられている海岸クロマツ林みたいな役割を果たしている。
本プロジェクトも無償資金協力で、国際航業が受注し事業全体の調整を担当し、植栽業務については王子木材緑化が受けて地元の企業・住民を雇って実施しているとのこと。

ところで、もくまおう、といえばCoccoだろ、という主張は、読者諸兄姉の同意が得られるだろうか。

中部・北部へ① 〜ダムをつくる〜

南の端にいると、国内を旅行するのも億劫になる。
カマウ市に出るのに1時間。ホーチミン行きの飛行機は一日一往復。
スタートラインに立つのに1日かかってしまう。















まずはダナンより南下。ホイアンの日本橋はマジ(´・ω・`)ガッカリ…だな、
という新しい知識を携え、クアンガイ省へ。
あ、街並みはとってもキレイですよ。
日本というより中国というか、フランスというか昔のサイゴンってこんな感じだったらイメージ通り、という感じ。よけいわからんか。



クアンガイ省 小規模貯水池復旧事業
ODAの無償資金協力に分類される。経済成長著しいベトナムではだいぶ少なくなった。
実施機関はJICS。JICSといえば2年前、協力隊受験時にエンバンクメントについて調べたとき、怪しい団体だな、と思ったけれど、別に怪しくない団体だった。すいません。
久々にダムが見れるとあって、こりゃおもしれーわ、と見学させてもらう。



ベトナムはベトナム戦争後、農用水の確保を目的とした溜池が多数作られた。その数約2,000ともいう。元々中部は雨期が10月〜2月くらいまでで、乾期にはほとんど雨は降らない。また、山からすぐ海に注いでしまうためしばしば水不足が問題となるとのこと。
築設された溜池も経年劣化で決壊の恐れがあることと、現在の農用水需要に対して供給が不十分であることから、このプロジェクトが実施されている。

そこはかとない好意

名刺が切れたので、名刺屋さんにいって作りなおしてもらう。
ベトナム語表記と英語表記のおもてうら。で、できた名刺。
JICAは "Japan International Cooperation Agency"なんだけど、つくってもらった名刺は"Agency"が抜けている。兄さん違うんだけど、と言いに行く。

ほんとだねぇ、という具合で兄さんが確認をはじめる。
そんなことをしていると、ベトナム語の方もなんだか気になってきたのでお兄さんに確認してもらう。これ意味通じる?と。すると兄さんは首をかしげている。

JICAはベトナム語で"Cơ quan Hợp tác Quốc tế Nhật Bản"という。
ところが僕のデザインは"Tác"が抜けていた。Hợpだけだと「会う」とか「会議」とか、そういう意味になる。"Hợp tác"になると「協力」という意味に変わる。

兄さん、あ〜、と頷き、右手と左手で握手を作る。そうそう、それ。まるで判じ物。

僕のデザインも間違ってたから追加のお金払うよ、というと。
こっちも間違ったからいらない。2日したらできるから、と兄さん。いい人。


2012年8月5日日曜日

泥炭林の持続的管理に関するワークショップ




インドネシアに行ってきた。6月27〜30日の4日間。
ボゴール市は首都のジャカルタから約60キロ。バスで1時間という話だったけれど、ジャカルタ名物の渋滞にひっかかり2時間半くらいかかって到着。
インドネシアって極南でクソ暑かと思っていたら意外に涼しい。乾期だそうだ。自分史上最高に暑い都市は相変わらず東京のままだ。


出張の目的は泥炭林に関するASEAN主催のワークショップへの参加。
 泥炭林とは泥炭層に生育している森林のこと。泥炭層はアメリカ、カナダをはじめインドネシア、マレーシア等に広く分布する。日本にもある。北海道とか。

泥炭林とは、ふつう聞きなれない言葉だ。なんだか汚そうだ。ピート、というともう少しマイルドだろうか。ウイスキーを蒸留するアレである。スモーキーな香りを作り出すアレである。ああ、ウイスキー飲みて。

通常の森林は枯死した植物は腐り、最終的に二酸化炭素と水に分解される。腐葉土が分解過程ということね。
泥炭地は草や樹木が枯死して、分解されることなく土壌として蓄積することによってできあがる。泥炭地の多くは多量の水分を含み、寒冷地に形成されることが多い。それは分解者の活性が低く、嫌気条件になりやすいからだ。
と、物知りgoogleさんは教えてくれた。
ではなんで温暖な東南アジアにも分布するのかというと、若干困る。水はもちろん多いけれど、微生物等分解者の活性は高いはずだから。たぶん、分解速度を上回る堆積量の結果、なんだろうか。次々と積もってしまえば、下層の土壌は嫌気条件になってしまうから。
その辺はよくわからない。




泥炭林は泥炭土の上に生えている森林のことを指す。別に泥にまみれているわけではない。英語ではPeat land forest、もしくはPeat swamp forest(泥炭湿地林)と呼ぶ。
泥炭林は炭素ストックを多く含む土地に成立している森林で、気候変動防止の観点から重要視されている。この泥炭林、近年減少しているという話。
ベトナム、カマウ省にもわずかながら泥炭林があって、配属先のスタッフがプレゼンすることになったので、プレゼン補助ということでついていった。質問の聞き取りやら、おかしな英語を直したり、やら。ベトナムも一応ASEANですし。

このワークショップはASEANとインドネシア環境省並びにGlobal Environment Centreにより主催された会議でASEAN Peat Land Forests Projectは泥炭林・泥炭湿地林の維持・回復を目的として設立された機関だ。
で、今回の実質的な参集者は東南アジア諸国の政府関係者・研究者だった。




二日間で10数名のプレゼンテーションを聞いたあと、ワークショップが行われた。参集者はのべ100名くらいというところだろうか。
泥炭林が保持している炭素の量は46 Gtというピンと来ない量で、地球上の炭素の8〜14%のに相当するという。
泥炭林が減少する主な要因は森林火災と土壌侵食とのこと。湿地帯が多いことから、伐採、あるいはプランテーションの際にクリークを作って排水することが多いそうだ。この排水とともに泥炭土も流出している。報告によればヘクタール当たり20tのCO2が排出されているとのこと。場所によって30年で2m、以上土壌が流出(沈下)しているという報告もあった。

泥炭林における火災も大きな問題。オイルパームのプランテーション時、あるいは再植林時にしばしば火入れが行われ、結果として泥炭土にも火がついてしまうとのこと。さすがは燃料に使われるだけある。
一度泥炭層に火がついてしまうと、埋み火のようになってしまい消火が非常に困難だ。この火災は、気候変動の問題以前に、特に乾期における大気汚染の大きな原因になっていることが報告された。